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ものぐさにっき。

成分の99%は萌えで出来ております。
火車
みやべみゆきさんのこの有名な著書を読みました。みやべ作品久しぶり!このひとも文字数が多いからページ捲っても先が遠く感じて敬遠しちゃうんですよね。
でも別に薀蓄垂れたり小難しい言い回しをしているわけではないので、読み始めたら時間がかかりつつも引っかからずに読める。ひたすら丁寧な描写で物語が進んでゆきます。

ネタバレない範囲のお話というか、この小説にはそもそもネタバレらしきものはないのですが、ひょんなことから失踪事件に関わることになった休職中の刑事が主人公で、事件ありきなのでもはや序盤から犯人(容疑者、もしくは追い詰める対象)は決まっているんです。だからネタバレがない。
で、現在逃亡中のその犯人を見つけるために、延々、ほんと延々どうしてそんな事件が発生したのか、アリバイは、動機は、犯人の生い立ちは、とそれを追いかけてゆく話。
これ奇をてらったトリックの話とかじゃなければ、実は真犯人は別にいて、とか想像してしまうのですが、その辺は揺らがず、徹頭徹尾犯人は変わらず、だからその容疑者が犯人扱いで最後まで進んでいきます。刑事があちこち聞き取りとか違う事件との関連性とか見つけて動くので、ものすごく物語が激動しているように見えるけれど、実際には一週間くらいの間の、しかもすべて刑事の憶測で進む話なのが多分この小説の一番のポイントなのかも。
物的証拠はなにもないのに、犯人ならそうしただろう、犯人はここできっとこういう行動に出たのだ、とか全部「ありき」で進んでいくんだもの。でも突っ込みを許さないというか、読者にわき目をふらせない説得力と吸引力があるのが、きっとこの作者さんの手腕なのでしょうね。
結局ずーーーっと周囲の目撃証言とか知人の思い出話以外に犯人は出てこなくて、最後の最後で漸く主人公の刑事が犯人の背後に立ち、というところで物語りは終わります。刑事の憶測がすべて正しかったのかの答え合わせも何もなし。犯人の動機が違うといわれたらどうするつもりなんだ、と思うけれど、まあ多分そう遠く離れてはいないんだろうな。
正統派ではないけれど、こういう手法の推理小説もたまには楽しい。
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