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ものぐさにっき。

成分の99%は萌えで出来ております。
名前探しの放課後
ゴメン、見縊ってた。
F&Mという有名な紅茶屋さんがありますよね。紅茶が美味しくケーキも小振りだから二個くらい食べられて、さらにはポットサービスなので長居しておしゃべりしまくれるお店、ということで他の紅茶屋さんより断然大好きなのですが、そこがね、紅茶とケーキ(焼き菓子)以外にもパンを売ってらっしゃるのですよ。
今まで、ロブションみたいにケーキ屋なのかパン屋なのかわからないお店ってなんとなく敬遠しがちでして、F&Mも例に漏れず紅茶だけのカフェでいいのに、なんて思ったりもしていたのですが、お茶したついでに明日のパンがないなぁ~と思って、思いつきでパンをいくつか買ってみたら、その中でも食パンがめちゃめちゃ美味しかったわけですよ。ええ。
感動した。
普段ハード系のパンが大好きなので、パン屋さんでスタンダードな食パンとかクロワッサンとかデニッシュとか、そういった甘い系のパンだって滅多に買わない人なので比較対象がないのですが、もっちもちに柔らかくて焼きなおさなくても当日ならちゃんと美味しいパン。うーん、食パンをスーパーで買えなくなりそう!
他のパンもちゃんと標準以上は美味しかったので、F&Mはますますワタシのお気に入りのパン屋さんになりそうです。
あとはあれね、ジャムがもっとお手頃価格だったらよかったのに(笑)!

さて、F&Mのパンを食べながら過ごす雨の午後、本日もまた一冊本を読んでました。
辻村作品でミッコに、あと一冊くらい読もうかと思うんだけど何がいいかしら~と尋ねて出てきたタイトルがあったのですが、相変わらずの二段組の小説で少し手が伸びなかった(笑)ので、お勧めされたのとは別の本なぞ読んでました。聞いた意味ねえ(笑)。ミッコ、ごめん。でも「名前探しの放課後」面白かったので、いい時間を過ごせました!

以下、ネタバレ感想です。あと、辻村作品ですが、腐目線に注意。
最近、こういうお話もミステリの範疇に入るのかしら?

主人公はある日、気がつくと自分が見知らぬ場所にいることに気づきます。
見知らぬ場所=三ヶ月前の、放課後。
記憶の中ではこの三ヶ月の間に季節が変わってテストがあってジャスコの屋上から見える店が閉店して彼女と別れて新しい彼女が出来て姉が出産して正月を迎えて…と記憶にちゃんと残っているのに、何故か気がつけば、季節は冬から戻って秋。姉だってまだ身重のままです。
どうして自分がこんなことになっているのか?頭がおかしくなったのか、いいや、こんなに明細な記憶が間違いであるはずがない。じゃあ一体どうして世界中の時間が戻ってしまったのだろうか?
主人公は困った末、一人のクラスメイトに相談します。
その相手はその高校で唯一同じ中学から進学してきた女の子。ぱっとしない彼女がしかし、本を読んだりするのが好きなことを、主人公は覚えていました。水泳部のホープで女の子にもモテて遊び放題だった主人公とは接点がこれまで一度もありませんでしたが、主人公はその子に声を掛け、自分が一体どうなってしまったのか、過去に戻るということがありえるのか、と相談します。
話しかけられたことにその女の子は突然の話に驚くながらも、同郷の好というわけではありませんが、真剣に相談を聞き、自分の持つ読書からの知識によって主人公に二つの可能性を示します。
曰く。パターンは大きく二つあって、偶発的事故で時間軸から放り投げられ、「たまたま」ここに存在してしまったこと。
もう一つは、何かしらの意思、もしくは第三者の介入によって「選ばれて」ここにいること。
一つ目なら理由は探しても無駄ですが、自分が何らかの理由があって三ヶ月だけ過去に戻ってきてしまった=タイムスリップしてしまったとしたら?
この三ヶ月。新聞なんてテレビ欄と四コマ漫画しか読まない、すちゃらか高校生の自分にとって何が一番大きな事件だったか、何がきっかけで三ヶ月だけ時を戻ってしまったのか?普段と違う”きっかけ”的なことは何があったか?
その答えを彼は持っていました。
三ヵ月後のその日、彼は朝から連絡網で一人のクラスメイトの自殺を知らされたのです。

「クラスメイトが死ぬ。ただし、それが誰か、どういう状況で自殺するのか、それがぽっかり穴が空いたように思い出せない。けれど、自殺をするのはクリスマスイブのその日。その日までにその容疑者を見つけ自殺を止めるために、自分は三ヶ月前の世界にタイムスリップしたのか」

別に何年も月日がずれたわけではない。三ヶ月戻ってしまったことに困惑こそすれど、たいして憤りも感じない。
けれど、自分は未来に起こることを知っている。この学年の中で誰かが死ぬことを知っている。それを知っているのに止めないでは、いかなすちゃらか高校生の自分でも目覚めが悪いではないか。
それだけの理由ですが、それがまっとうな神経における言葉であったことに少女も同意し、その日から主人公とヒロン、そして彼らの友人たちも巻き込んで、皆で「クリスマスに自殺をする同級生」探しを始めます。

候補は偶然ながらもヒロインが見つけます。それは他のクラスの、主人公たちと同じく遠方地からの通学生。鉄道オタクで友人もおらず、ちょっと鼻に掛かる性格が災いして水泳の授業でからかわれ、同じクラスの陸上部員たちから目をつけられてしまったことがきっかけで、陰湿なイジメ(暴力&恐喝込み)を受けるようになってしまったとのこと。
その子が本当にクリスマスに自殺をする容疑者Xかは今のところわかりませんが、とりあえず一番の候補であることは間違いありません。
だからといっていじめにあってる本人にお前が自殺しないように監視する、とかいえるわけがないし、イジメを止めるのに有効な手段をもつわけでもない。
どうにかして婉曲的に自殺を食い止める方法はないものかと思案した結果、元水泳部のホープだった主人公が苛められっ子に水泳を教え、苛められっ子を見返し自殺なんてしない精神的な強さを叩き込んではどうだろうか、ということで、その日から作戦は始まります。
紆余曲折があっていじめが更にエスカレートしたり自殺候補本人に自分たちの思惑が善意ではないことがばれたりと色々あるのですが、結果的にクリスマスイブというXデーを乗り越え、皆は無事に三学期を迎えることになったのでした。
イジメ自体はまだ終わってないけれど、これからも一緒に戦っていこうね、自分たちは友達じゃないか、と友情を深め、苛められっ子もまた精神的に少し強くなり、めでたしめでたし。

…で、終わってもよかったはずの、三学期始まってすぐの実力テストの日。なんでまだ話が続いてるの?と思っていたら、読書好きのヒロインの下にテスト中、一本の電話が入ります。
曰く、両親のいない彼女をずっと育ててくれたたった一人の肉親である祖父が、心臓病で倒れ意識不明とのこと。
突然のことに立ち竦むヒロイン。
けれど主人公たちは「まるで予め知っていたかのように」彼女を最短で病院まで届けるための手段を瞬時にはじき出し、それぞれが協力して急いで彼女を病院に向かわせるのでした。
その協力者の中には、イジメのリーダー格だった少年の姿もあります。

そう、このお話にはもう一本、裏側に流れる本筋があったのです。

三ヶ月前に突然タイムスリップしていた主人公。
彼の説明した言葉に嘘はさほどありませんでしたが、唯一ヒロインに黙っていたことがあるとしたら、それは自殺するクラスメイトの名前を彼はちゃんと覚えていたということです。
三ヵ月後の世界で自殺をするのは、実はヒロイン。
彼女はクリスマスイブの日、倒れた祖父のもとに駆けつける途中で渋滞に巻き込まれ間に合わず、唯一の肉親の死に際を看取ってやることができなかったことを苦に、冬休み明けのその日、冷たい真冬の池に飛び込み入水自殺をしてしまったのでした。
それを連絡網で聞かされた三ヶ月前の主人公。
けれど、彼は同じ中学出身という以外、彼女のことなんて何も知りませんし、それまでだって喋ったこともありませんでしたので、その時点では悲しみだってどこか他人事でした。
ならばどうしてそんな「彼が」三ヶ月前にタイムスリップさせられたのか?
それは、予測では死んだ彼女の祖父の仕業ではないかと予想されます。彼女の祖父もまた、たった一人残してゆくヒロインのことが無念で無念でならなかった。その上、こんな悲しい結末になってしまった。しかしどうにかして歴史をやり直して、孫を救う手段はなかったのだろうか。考えた末、祖父は一人の少年を過去に飛ばすことで彼にすべてを託します。それは、例え祖父が死んでも彼女が自殺に至らぬよう支えてやって欲しいという意味も含めて。
そう考えたことに根拠も証拠も応え合わせだってないけれど、でもみんな、多分それ以外説明がつかないんだろうな、とどこか納得。
しかし、どうしてそれが彼だったのか?
それは、読書が趣味で家に友達をつれてきたこともない孫の、祖父が知る唯一のつながりが「同じ高校に地元の子が一人だけ進学したらしい」という縁だったからではないだろうか?友達でも恋人でもない、けれどそれしか祖父が縋れるものがなかったという現実。
そんな理由で選ばれた主人公ではありますが、けれど前にも言ったとおり知ってしまったことを見ないふりして見殺しにすることは人としてできません。そういう意味で、祖父はわずかな可能性という賭けに勝ったといえるでしょう。

彼は友人に相談し、友人経由で学年で一番頭のいい秀才を巻き込み、彼の書いたシナリオの元、架空のいじめっ子と苛められっ子を捏造してそれをどうにかするという目的に向けてヒロインを仲間に巻き込み、今日まで三ヶ月、彼女の「死なない理由と困難を克服する強さ」をどうにか作ろうとしていたのです。
更に一番大事だったのが、もともと心臓病をわずらっていた祖父が倒れるその日、何が何でも、どんな手段を使っても死に際の祖父の下に彼女を届けて、お互いにとって悔いの残らない最後を迎えさせてやること。
そのために主人公は苛められっ子とヒロイン(カナヅチ)に水泳を教え込む(ふりをする)傍ら、必死に教習所に通って彼女を送り届けるためのバイクの免許を取り、その合間にバイトをしてこの三ヶ月に必要な経費のすべてを都合したりもしてました。
主人公の頑張りと、彼の友人らの協力もあってどうにか間に合ったヒロインは死に際に間に合い、祖父と言葉を交わすことが出来ました。
そうして「看取れなかった心残り」を解消し、今度こそ、主人公は歴史を変えることに成功したのです。

うおーーーー!
もうもうもうもうね、単純に言ってこういう「時空操作」的な、映画でいうところのバタフライエフェクトみたいなお話が大好きです!
その上、更に無条件で泣けるのが「祖父母と孫」という図式。男を作って蒸発した母に代わって不器用に男手一つで孫を育て上げた祖父の繊細な親心も、祖父が頑張って自分を育ててくれたことが判っているから父母のいないことによる引け目を明らかにしたくない孫も、お互いがお互いを気遣っているからこそ口に出せないもどかしい愛情と気遣いのすれ違いがね、もうね…!もうね…!(感極まった)
ヒロインのところに連絡が入ってからの仲間の連携、そして病室のお祖父ちゃんのもとへ駆けつけるくだりの辺り、タカヤマぼろ泣きです。弱いんだよ、こういう家族愛…。
あ、因みにおじいちゃん、奇跡的に持ち直してその後も、まあ心臓という爆弾を抱えたままですが生き永らえています。歴史が大きく変わったね、ええ。主人公たちはそれで結局付き合うことになりました。なんてお約束な、けれど温かなハッピーエンド。はじめは遊び人主人公、読書が趣味なんてヒロインに見向きもしてなかったのにね。

これがもし本当にただ苛められっ子を救うってだけのお話だったら、まあ青春群像劇じゃないけれど、高校生のいいお話ね、で終わったんですが、実はこれ二重のトリックが仕掛けられた小説でもありました。
それは何かというと、一重目(実は死ぬのはヒロインであり、苛められっ子云々はみんなの演技だったこと)(あと幅広くいうと、主人公を過去に戻したのは余命幾許もないことを隠してるおじいちゃんではないかということ)のトリックは実はそう難しい推理じゃなくて、上下巻の上巻からちょこちょこヒントが小出しにされていて、そこで気付かなくても下巻の冒頭でもう「あ、じいちゃん死んでヒロイン危ない?」と気付かされるのですが、実はもう一つ、こっちは最後の最後、エンディングまで読者が紐解きようのない謎が仕掛けられていたんです。
初めは単純に読者に「苛められっ子を救う物語」だと思わせておきながら、クライマックスで実は自殺するのはヒロインだったんだよ、とどんでん返しを(それまで気付いていなかった読者にも)仕掛けて楽しませたにも関わらず、もう一つの隠された謎があり、それはラストの仲間の会話で明かされます。
――シナリオを書いた秀才君も苛めっ子&苛められっ子を演じた友人たちも皆、主人公の言い出したタイムスリップという話を頭から信じきったわけではなく、それぞれの都合と利益によって主人公に協力していますが、そんな中でただ一人、一番最初に打ち明けられた彼の友人(とその彼女も協力してくれるのですが)だけは、何の見返りもなくただ「友人だから」という理由で協力していたように見えました。
秀才君にはそれが少し不思議だった模様。
「目立たないふりをして本当は誰より冷静で切れ者のお前が、本当にタイムスリップなんて話を信じて見返りなく協力していたのか?」
友人は答えます。勿論困っている親友の手助けがしたかった善意と、すちゃらかな彼がこれで少しでもまっとうな人間に成長すればいいなと思った気持ちも本当だったのですが。
なによりもそれは。
「責任感が、少し」
誰にもわからないし、もはや誰も、いわれた本人さえ”覚えていない”事実。
三ヶ月前の、丁度主人公がタイムスリップで戻ってきたと宣言した「前の日」、主人公と親友の彼はとある諍いを起こします。
それは、軽薄な主人公の女性関係を諌める言葉を発してそれが喧嘩にエスカレートしていった中で、親友が主人公に言った言葉でした。

「もし仮に三ヵ月後に突然死んで悲しいと思う存在が思い浮かばないのだとしたら、君の人生はとても寂しいものだよ」

売り言葉に買い言葉的な嫌味でしたが、「六年のときを経て」その言葉が効果を発してしまったのです。
そこで初めて明かされる親友の正体。
それは前述のメジャースプーンで不思議な言葉の力で好きな女の子を救った「ぼく」であり、今回出てきた親友の彼女は、つまりその時の傷から立ち直った「ふみちゃん」でした。
うおおおおおおおおお!!
マジでかあああああ!!
つまりはメジャースプーンでも説明されたとおり、その言葉の魔法が発動し、主人公の「三ヶ月」が生まれたわけです。
主人公は本当はタイムスリップも何もしてなくて、すべては「三ヵ月後誰かが死ぬのを止める」という「嘘から出た誠」ならぬ卵が先か鶏が先か、的なスタートライン。
なんというか、つまりは「あれ?すべての元凶はお前かよ!」な壮絶なオチ。
メジャースプーンでも説明されていたように、魔法の言葉をかけられた張本人はそれが誰かに命令されてやってることなんて思いも知らず、またそのきっかけとなった言葉も都合よく忘れてしまうので、きっと彼は一生自分が三ヶ月だけタイムスリップして不思議な経験をした、と思い込んで生きてゆくのでしょう。「自殺を知ってるのに止められなったなんて後味が悪い」みたいなそもそものすべての行動原理だって要するに、本当のきっかけを覆い隠すために彼の脳内が魔法に従って生み出した後付の理由に他なりません。
実際はすべて彼の脳みそが作り上げた架空の話で、たった一つ事実だったのは「余命幾許もない心臓病の祖父」という存在が、ヒロインにもともといたことだけ。(けれどこれが無意識下の作り話である可能性も実は、作品中のそこここで示唆されていたのです。それには気付いてたけど、この結末が全然予想できずに宙ぶらりん予想になってた)(だって気づかないよ、そんなネタバレ!)
そこから、彼女が死ぬとしたら…と仮定したある意味酷い想像で、彼女は現実に祖父を失ったときに病院に間に合わなかったかもしれないことも、それが引き金で自殺したかもしれないことも、すべて主人公の空想でしなかなったわけです。
まあ、人間なんて未来を見れる人は一人もいませんから、そうやって「誰もが思いつき、ひょっとしたらあるかもしれない」と思える可能性の範囲の話なんて、それこそ否定のしようがありませんから、何を言い出したってそれを裏付ける根拠が捏造されている限り、100%疑うことをはじめからしませんよね。今回みたいに小説でそんな不思議体験を語られても「いやそういう話なのか」と、現実ではありえないことでもすんなり受け入れてしまいます。

考えてみればすべてが魔法によって操られた酷い話ではありますが(笑)、ただ前作でもちゃんと使用方法として説明されていたように「現実を捻じ曲げてまで作用する力ではない」ということで、超常現象は生み出せません。
だから、すちゃらか主人公がヒロインである彼女を選んで紆余曲折のうちの結ばれたことだって、きっかけはどうあれ彼の潜在意識が「三ヵ月後に死んで悲しいと思う大切な存在」として、同郷の彼女を選んだのです。それだけは、親友の「ぼく」にだって命令できない、主人公の心の中の真実なんです。
前の人生のままならそういった道に入ることなく今の彼女と酷い別れをした後に記憶の中の新しい彼女と付き合って、その人とも数ヶ月ですぐ別れることになって…という人生を送ることになったのでしょうが、「もし三ヵ月後に…」と魔法の言葉をかけられたときに主人公が自分の人生と自分の周囲の人間の中でその「運命の相手」として選んだのがヒロインだったということ。それだけは確かに魔法の言葉に左右されることなく彼の深層心理が彼女を選んだという結果だったので、敬意はどうあれこれはこれでひとつのハッピーエンドなのでしょう。

いやしかし、ほんと、まさかメジャースプーンの成長した二人がきっちり恋人になって高校生になってこんな形で出てくるとは…。それは気付かない。それに気付いた人は凄すぎる。ていうか、どんだけこの作者さんの「キャラ使いまわし」の法則に慣れきった人なんだ(笑)。
ワタシは相変わらず迂闊な読者なので、冒頭で主人公と親友が「昨日の喧嘩の仲直り」シーンから始まってることに深い意味なんて見い出さずにいたよ…!曖昧にされてるというか、深く触れられていないことは要するに後から謎解きに関わってくるって、はなっから疑って掛かるべきなんだね…!
スロウハイツ、メジャースプーン、今作ときて、実は手法的には一緒なんだからそろそろワタシは学ぶべきだ(笑)。
あ、因みにシナリオ書いた秀才くんもメジャースプーンで同級生で出てきた子ですね。ワタシ、この作家さんはお勧めされる順にきゃっきゃと読んでるけれど、これだけはメジャースプーン→名前探しという、執筆順そのまんまを人にはお勧めしたい…!だって能力が要するにネタバレで、こっちではその言葉の魔法のことを一切解説してないので、ぶっちゃけメジャースプーンを読んでない人には内容理解度が半減ではないかと思うもん。

とまあ、内容も目から鱗というか、思いもしなかったネタバレや関連性も出てきて(だから後からあそこに出てきたのは教授だったのね!とか思い返せる)(でもすみません、名前さえ出てこなかった教授はわかったのに、名前がちゃんと出てきた凍り~のほうのピアニスト少年のことは全然結びつけることが出来ませんでした)、作品自体の構成も楽しく読めたのですが、それにも増して…!
そう、それにも増してワタシがときめいたのが、この「お芝居」をしていた苛めっ子&苛められっ子役の二人です…!
いやあ、久々に普通の作品読んでてBL想像したよ(笑)。初めは親友×主人公でもよかったんだけどさ、彼女出てきたし、挙句の果てにその正体はメジャースプーン繋がりだったからもう不埒な妄想の余地がないっつーか(笑)。触れてはならない聖域っつーか。
しかしこの二人はもういいんじゃないかな(笑)。「神経質でプライドの高い鉄道オタク」と「大雑把な性格でクラスの人気者にはなれるけれど、興味のないものに真剣になれるわけでもない陸上部のエース」という、実のところ共通点なんてないし、イジメ関係がただのお芝居だったとしても友達じゃないだろうっていうか、そもそも性格も価値観も合わない二人だろう、と思いきや、実は大の仲良しっていうか、ぶっちゃけ従兄弟同士(笑)。
おおおおお、そんな関係が…!と、今までお芝居とはいえ、この二人のイジメ関係を読まされ続けてきた読者はまずびっくりでしょう(笑)。ワタシもびっくりしたっていうか、存在だけ出てきて登場してなかった従兄弟ってこいつかー!って思わず膝を打っちゃった。してやられた気分。
で、別に従兄弟だからって無条件で仲良くなれるものでもないけれど、この二人に限っては仲良しなんですよ、奥さん(誰)。
「なんで?こいつ、ぶっちゃけ苛々しねえの?」と主人公など役を演じててもイラッとしちゃうみたいですが、自分と同じようにオタクなんて気持ち悪いし好きなことにだけ饒舌でひとの話を聞かないところも理解できないんじゃないの?と問いかけると、苛めっ子役の陸上部のエース君はけろっと「別に?」と一言。
他の人間だったらともかく、子供の頃からそういうのを見てるし、鉄道旅行も一緒に行ったし、興味のあるものを見て目をキラキラさせてる姿ってなんか感動するじゃん、ともうあるがままを受け入れ愛する姿勢なのね。
いやこの子も大概主人公と似たような、部活動こそやってるけど女の子とも適当に遊んでるすちゃらか高校生かと思いきや、そうやってちゃんと見るべきものを誤解なく受け止められる子なのね…!と感動もしたし、苛められっ子役の子はもう性格も鉄道オタクだってこともそのまんまなんだけれど、その性格のままでクラスメイトとも勿論、従兄弟とも学校生活をうまくやってて笑っちゃった(笑)。オレが苛められるとか、なんの冗談?みたいな子。こういう子はうん、いじめられることは本来ないよ(笑)。

ぶっちゃけタカヤマ、おじいちゃんと孫的感動もさておき、この作品の何に一番萌えたかって、この従兄弟同士に萌えた(笑)。

BL的な意味合いで、ええBL的な意味合いで!(大切なことなので二度いいました)
普段巷に増えてるBL商業小説とか全然読まないし買わない人なんですが、この従兄弟みたいな関係でBL本とかあったら超読んでみたい!!とまで思っちゃいました。
こういう、全然合わない二人なんだけれど、何故か周囲が首を傾げる仲のよさっていうか、間柄みたいなのが昔から大好き。これ根深いよ。なにせもとを正せば早稲田ちえさんの「女神」まで遡りますからね(笑)。あの漫画大好きだった…。

全然趣味も興味も違うのに仲良し従兄弟が、裏で一緒に遊んでる姿をヒロインに見られちゃうってポカをやらかしたときだって、「恐喝されて連れてかれた」設定で乗り切った仲間たちの「あの馬鹿ども」っていう台詞を思い出してにやにやしちゃう。
あと二日でクリスマスイブというXデーなのに、どうして我慢できないんだって怒ってたのが、もうなんともいえない。我慢できないんだよ!ヒロインに目撃されるポイントでは演じてても、それ以外の私生活ではいちゃいちゃするのが当然の生活だから演じきれてないんだよ!
そう考えるとまた楽しす。
ヒロインの前でパフォーマンスとして苛めっ子がいじめられっこを蹴るシーンがあるんだけれど、多分大丈夫なようにふりっぽく演じてても(もしくは本当に蹴っても最大限手加減してても)、きっとヒロインが去った後で苛めっ子はいじめられっこに「誰がそこまで派手に蹴っていいっつった?」と苛められていたに違いない(笑)。悪かった、ごめんって、と平謝り苛めっ子。周囲は何事かと思うよね。お昼は奢ったに違いない。いや、それどころか帰りもバイクで遅らせたに違いない。でも「どうせならウチに泊まってって夜通しゲームの続きやろうぜー」でもOK。もう可愛いな従兄弟同士!いじめられっこのほうが肝が据わってて演技も徹底してやるんだけれど、苛めっ子役のほうが「もうオレやだよーおおっぴらに遊びたいよー」とか先に根を上げてそうなところも、また萌えます。

いやあ、この従兄弟同士、女の影がつかないといいな!もし今後、他の作品で出てくることがあったら、基本的にこのひと恋愛小説書いてるようなものだから、女つきで出てきそうでそれは嫌…。他のキャラはともかく、この二人だけは嫌…。
そこ、お願いしたい。是非。他作品へのスピンオフ、なくていい(笑)。
というわけで、物語と関係ないところでこの従兄弟に予想外に萌えてきゃー!!!だった今回でした。
次こそこの人の傾向をきちんと把握しつつ、トリックに騙されないように用心深く読み解くぞー!
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