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ものぐさにっき。

成分の99%は萌えで出来ております。
ひきこもり探偵
辻村作品以降「青春ミステリ」というジャンルがすっかり気に入ってしまったタカヤマ。
嬉々としてその言葉で検索かけてみたらば、とある作家さんの名前が当たりました。
ちょうどいいやと適当に、その人の読みきり小説を一冊手にとって見たらば、これがおっそろしいまでのBL本。え、ちょ、ええええええ?と思わず何度も表紙を振り返ってしまったよ。普通のハードカバーの書籍…。
「先生と僕」というタイトルのその本は、ええ、恐ろしいまでの年下攻め小説でした。
ああいや、うん、推理もしてるしてる。気の弱い大学生の家庭教師と中学生の僕とで解決する事件は日常ミステリと呼ばれる他愛無い謎ばかりなのですが、もうね、この中学生の攻めっぷりが半端ない。君ね、今からそんな人生送ってたら、大きくなってからどうするんだい?先生をお嫁さんに貰うんだよねうんもう判ってますとワンブレスで言いたくなっちゃう。
そんなわけで俄然読みやすさを増したこの作家さんの代表作、「ひきこもり探偵」シリーズ全三巻を読破いたしましたので、以下ネタバレ感想です。ネタバレっていうか…まあ…(ごにょごにょ)
学生時代のイジメに端を発する家庭内事情が原因で(いや逆?家庭内事情からくる学校のイジメ?)大人になった現在も極度に他者との接触を避けたプログラマー的仕事に就き、引き篭もり人生をエンジョイしてる青年と、そんな彼の学生時代からの唯一の友人である青年が、日常の些細な繋がりから簡単な謎解きをしつつ引き篭もりの脱却を願うお話です。
なにから説明したらいいのか判らないくらい、この二人の相互依存っぷりが半端ない、ぶっちゃけミステリの謎解きとか内容とかどうでもいいといえてしまう、ある意味恐るべき小説でした。

引き篭もりの青年は俺様だし他者なんて必要としていないし傲岸不遜という言葉が似合うような性格なのに、それはすべて唯一自分を受け入れてくれた友人ありき、なんです。第三者に対してはゴミ以下の扱いをしばしばするくせに、それが友人に関わる人間関係というだけで少し譲歩する。友人が泣いてるから泣くし、友人が楽しそうだからその時間をもっと引き伸ばさねばと思うし、例え第三者と喧嘩しても「友人が仲直りして欲しいだろうから」仲直りを考える、そんな恐るべき依存っぷりを堂々と抱え込んで生きてます。
じゃあ一方友人のほうが依存されてけれど生来の人の良さから付き合っているだけかというとそんなことは全然なく、この友人こそ引き篭もり青年のことが昔から大好きで、彼のイジメに纏わる事件に付け入って一番の親友の座を確保したことを今でも後ろめたく思っており、少しでも彼の脱・引き篭もりに協力しようとします。
引き篭もりは友人と一緒なら近所に買物に出かける程度は出来るレベルの引き篭もりなので(ただしそれ以上の距離となると発作を起こすし、友人と一緒じゃないとそもそも外出自体が出来ない)、彼となるべく人の少ない月曜日の午前に近所のスーパーに行くために、休みに融通の利く外資系の会社に就職を決めた友人。なので当然休日は一緒に過ごすし、仕事が終わると自分のアパートより先に引き篭もりの家に行って一緒に夕食を食べたりとか、ちょ、お前らそれで20代後半の青年としてまっとうなのかと思わず読者が突っ込まずにはいられない関係なのでした。
作中で何度かホモ呼ばわりされて否定してるけど、いやもうホモでいいじゃん。なにその行き過ぎた友情。大歓迎です。(あれ?)
友人が持ち込む身近な相談ごとや人間関係トラブルなんかを一緒に解決させることによって、引き篭もりに外の世界(友人以外の人間関係)に興味を持たせよう、前向きにさせよう、というのが表向きの本筋なのですが、その裏では実はそうやって依存されることにこそ依存している友人のほうの、脱・過保護が裏のテーマであり、三巻の最後でついに友人は自ら「もうこの家にはこない」と宣言して引き篭もりの前から姿を消します。
ええええええええ、結局そんな乱暴な突き放し方をするのかよ!とさすがに思った。一応今まで築いた人間関係(友人と引き篭もり以外との)と外の世界との接触というクッションがあったにせよ、友人よ、多分引き篭もり、あんまり成長してない…よ…。
友人は「もうお前の家にはいかないから、今度はお前が僕の家に来てくれ」ということで、引き篭もりが引き篭もりでなくなるように願いをこめたわけですが、自力で外出できるような精神状態ならそもそも引き篭もりなんてやってないわけで、それも大層な賭けです。
けれど一週間後。因みにこの一週間の間に友人は何度も早まったかと後悔してはもう自分から彼を慰めに行こうかと何度も何度も何度も思って砂を噛むような毎日を過ごしていたわけですが(ここでも「お前そもそも長年の極度の引き篭もりが一週間やそこらで勇気を振り絞れるか!一ヶ月くらい待ってからそもそも悩め!」と言いたくなる)、なんとか引き篭もりは友人の家(はっきりいって超近所)までの道をひとりで歩き彼の家を訪れ、けれど結局二人は引き篭もりの家で寛いでる日常に戻ったのでした、という終わりです。

引き篭もりが少しでも引き篭もりでなくなったのか、友人との関係は依存から脱却したのか、ちょっとその辺曖昧に終わってるのは実はこの三部作以後も彼らの話を書くつもりがあったから、みたい。
現在に至るまで続編が出てないわけでそこは残念なのですが、まあ引き篭もりが自分ひとりで外出できるようになった、という充分なエンディングは迎えてますので、三部作完結といってもいいかと。
ただしそこに「引き篭もり<友人」という賭けへの勝利はイコールまっとうな人生と同義語ではありません。それは、彼が抱えていた問題は「イジメが引き金による引き篭もり」だけではなく、さらには「人間不信からなる極度の依存」という二つであったことが作中明らかにされたわけで、だから友人を迎えに一人で外出が出来たところで後者の問題が解決できたかといえば必ずしもそうではないからです。むしろお前その賭けに出たことでますます依存が増すというか取り返しのつかない存在になってゆくんじゃねえの?と思わないでもないので、もうこの二人はとっととカリフォルニアででも結婚してしまえばいいと思う。友人だから歪な関係と捉えられるだけで、夫婦になっちまえばただのバカップルのさまだよ!

と突っ込みどころ満載で感想お送りしましたが、でも概ね読んでるときはその相依存っぷりが楽しくて「もっとやれ」状態だったことは腐女子として致し方ない。
だってもう引き篭もりの、俺様のくせに友人に対してだけは臆病なほどの依存っぷりのギャップが見ててぎゃあって感じでね…ええ…。しかもそれをどうにかしようと試みるものの、どう読んでも一巻スタート時より三巻に至るまでのほうが、依存度が酷くなってるからね。全然更生できてないからね、ええ。

まあ裏テーマである「友人こそ、引き篭もりから唯一の存在と甘えられることに対し依存し、外部との接触に敏感になってる張本人である」という状態だけは少し回避できたのかも?一週間も耐えられないような脆い決意ですが。
ほんと、続きをいつか…とあとがきで書いている通り、この後の二人の話とか是非読んでみたいです。そしたら次のテーマこそ、二人の独立した人生の歩みってことになるんだろうか。それでもいい。

ワタシはたまたま導入書が「先生と僕」だったせいですっかりBL小説書きか、ってな印象の拭いきれない(名誉毀損)この作者さんですが、それはほんとうにたまたまだったらしく他の小説はちゃんと女性が出てくるお話のようなので、そちらも1~2冊読んでみたいと思います。
でもさ、それを抜きにしても、(この作者さん覆面作家さんなのですが)作者は女性だと思うんだよこれ(笑)!
Comment
≪この記事へのコメント≫
とりあえず探してきます
むにゃむにゃと聞いて、私が動かないはずがない!

市立図書館のデータベースも検索したぜ!
貸出できますってあったよ!!
という訳で「先生と僕」(そっちかい!)を借りてきま~すv
あ、ひきこもり探偵もついでに探してきます。
2010/07/08(木) 09:00:09 | URL | F原 #-[ 編集]
是非!
F原先生に対してはもう、絶対にそっちのがお勧めです!だってもう先生のジャストミート年下攻めですからねっ!読んでて、「あ、先生向け本だ」とかワタシも思いましたもん。

ひきこもり~の方は二人の無自覚ぶりにいらっとするかもしれませんが(笑)、先生のご感想を聞きたいところです。
2010/07/08(木) 09:06:39 | URL | タカヤマ #-[ 編集]
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