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ものぐさにっき。

成分の99%は萌えで出来ております。
阪急電車
ナタリーの映画が見たかったのですが(アシュトンとの方)、また例によって地元でやってなくて、じゃあ、とほかに見たいものあったかなーと探した結果、何故か更に狭き門であった電車映画のほうをみにいくことに。ホワイ?

有川作品で原作好きとしてはどこで上映していようと見ておきたかったので、結局遠出してる罠(^p^)。雨の日の深夜だったので客なんて少なかろう…と思いきや、レディースデーに被ってたみたいで女性客ばっかりでした。あらまあ。20代の女性ばっかりだったのはやっぱり夜中だから若い子が少なくて、尚且つ有川作品のファンばっかりなのかなーと単純に思っていたのですが、映画が始まってみたらキャストが豪華だったので、そっちで気に留めて原作知らずに見に来ている人もいるのかも、と感じました。

ワタシ、映画館では基本一番後ろの座席が好きなのですが(背後に気を散らされずに済むので)、今日は最後列誰もいませぬでした。笑。ちょっとお行儀悪いけれどかしこまってみる内容の映画でもないので座席の上で体操座りして鑑賞会スタート。左右に人がいたらお行儀悪いのでやりませんが、友達も映画見るときは靴を脱ぐとか、座席の上で胡坐をかく、とか寛ぎながら鑑賞する方法は人ぞれぞれだったりします。
前の座席の頭に両足を乗っける、なんていうのは論外かと存じますが(今回やってる女の子がいた!びっくりした!)、概ね自分のスペースだけに納まっている鑑賞法なのでご容赦あれ。

それでは以下、ネタバレ感想でーす!
原作は、阪急の往路復路各15分の道のりで、それぞれの駅から乗ってきた人たちにスポットを当てたオムニバスのお話です。全員の時期列が一致しているわけではなかった覚えがあるのですが、なんだか今回はプラスアルファ要素まで足して往路復路のそれぞれで纏めて一本の映画になっていたように感じました。
原作の順番がもううろ覚えっぽくなってしまいましたが、歯切れのいいお祖母ちゃんが健在で、恋人に意趣返しした女性の話が主軸っぽくなってましたね。だからというわけでもないでしょうか、こうして一本に繋がった話として顧みてみれば、強くなろうと頑張る女性の背中を押すような作風に取りまとめてありました。なんだかすごく爽やか!
本当に世の中で頑張って、けれど落ち込んでる女性みんながこんなふうに幸せになれればいいのになー…と気持ちがほっこりしてしまいます。

夫に先立たれ小言が多いと嫁からも敬遠されながらも凛と背筋を伸ばしたお祖母ちゃん。
後輩に婚約者を寝取られ、復讐のため白いドレスで結婚式に乗り込んだ元恋人。
希望の大学に偏差値が届かずに歯がゆい思いを持て余している女子高生。
恋人に暴力を奮うような男でも別れられずに親友にも相談できない恋を続けてしまう女性。
それぞれが大学進学とともに田舎から出てきて周囲に馴染めずにいる大学生たち。
行きたくもない高級ランチへ、感性の合わないご近所さんたちとゆかなければならない主婦。
心無いイジメの標的にされてしまった小学生の女の子。

それぞれが電車に乗り込んできて、それぞれが交わりあう一本の往路、復路。
電車に乗っている時間はそれぞれ数分から一番長い人でも15分。長く悩み続けたそれぞれの問題が解決するにはとてもじゃないけれど人生の比率からいっても少ない時間のはずなのに、その少ないはずの時間の中で、けれど彼女たちは今の自分から立ち直るきっかけを得たり、そんな決意を抱えて電車の中に存在しています。電車を降りたあと、それぞれの人生へと歩き出すために。
電車は通過点なんですよね、目的地までの。電車が折りしも日常の通過点と同時に人生の通過点になぞえられて表現されているところも、この作品の好きなところだと感じました。

それぞれがちょっとずつ電車の中でリレーみたいに関わっていったのが最終的には円を描くように繋がってゆくさまとか(しかもそれが本当にちょっとずつで、気付かないで終わりでも全然いいような、押し付け感や重たさがないところとか)好き好き。
中でもやっぱり一番思い切った選択が出来たなーと思うのが婚約者を寝取られた元恋人で、彼女は結局復讐を果たしたのちは電車で励ましをもらった行きずりの人のアドバイスに背中を押されて会社を退職し、「いい駅ですよ」と教えてもらった町に引っ越して再就職して人生をリスタートさせます。三十代でよくまあ思い切ったもんだ!と思わずにはいられないのは、きっと他の出演者たちに比べればワタシの年齢に近いからかもしれません。他の高校生や大学生たちのお話は頑張って、と背中を押してあげたくなる微笑ましさが勝るからなぁ。
いやまあ彼女たちも立派に自分の人生を掴み取ってて、とてもとても尊敬すべき選択を成した勝利者へと変貌を遂げるわけですが。
大学生カップルが、原作で読んだときよりデフォされてて笑えた。社会人と高校生カップルの、社会人の男のほうのその私服はなしだろうと思った。リアルに電車に乗ってるとき、あんな騒々しいおばちゃん滅多にお目にかからないなと改めて思った。阪急電車のあのホームののんびり度というか地元密着度が微笑ましくて好きだと思った。あんな町に引っ越して人生のリスタートとか、素敵すぎる。

人生の困難って、なんていうか直面しているときは、毎度毎度今この瞬間こそが今まで生きてきた中で一番の人生のピンチ!とか思うんですよね。
過去を振り返ればピンチや困難なんて何度も直面してきてるのに、それが常に上書きされてゆくというか…。
だからことが深刻でも学生の子のピンチより、成人した同性が直面したピンチのほうがより疑似体験というか、感情移入しやすい部分があるのかもしれません。きっと誰でもそうで、だからこそ年代別に共感できる作品も分かれてくるのでしょうが。(実際のところ、本当ならこんな感想を書かなくてもいいくらいこういったことが全部表現されている作品で、現にこのこともラスト、イジメにあってる小学生を立ち直った元恋人が励ます、というシーンで表現されています。小学生の彼女にとっては人生に絶望したくなるくらいつらい出来事だけれど、そういった人生の困難を乗り越えた先にいる元恋人だからこそ、今はつらくても応援してるから負けずに頑張れ、と背中を押してあげられるんですよね)

そして年を重ねてゆくとともに同じ立場になっていなくとも、それなりにままならない人生とたくさんすれ違ってきているため置き換えて共感できる幅が広がってきて、だからこそ十代の頃のように、例えば一つの考えを至上と決め付けて、どうしてそんなことするの、ばっさりと切り捨てれば終わりじゃん!なんて簡単に物事の善悪…違うな、良し悪し?いやいや一緒一緒、えーっと、白黒を?つけられなくなるのかもしれません。
因みに、ワタシにとってそれがご近所づきあいで悩む主婦の話ですよ。住宅住まいだとほんと、子供のPTAで繋がりのあるご近所さんとの付き合いも気を使うんだろうなぁと想像する反面、そんな行きたくもないランチや一緒に過ごしたくもない人たちとの付き合いなんて適当にあしらいつつ角の立たないように疎遠にしてゆけないものかしら…と流される主婦に共感しつつももやもやを感じながら見守ったりしていて。
でも今回の映画ではその視聴者を代弁する存在として、前半の往路でドメバな恋人と別れられずに振り回されていた大学生の女の子が再登場し、約一年後の復路ではこの主婦のそんな話を聞いて「ああ、難しいなあ、わかるなぁ。でも自分自身のために、ふんぎりをつけたほうがいいよ」と背中を押してあげたりします。
このやり取りに説得力を感じるのは本来往路で彼女自身の体験を読んで来た読者(視聴者)だけなのですが、この素直な主婦は通りすがりの名前も知らない彼女の言葉に背中を押されて、家で待っている家族の元へ足取り軽く帰ってゆくのです。
勿論、彼女がしつこい恋人と別れるために苦い経験をしたように、この主婦も今ひとたび勇気を貰っても、今後問題のPTAおばちゃんたちとどう付き合ってゆくのか、本当に関係を変えてゆけるのかは自分次第。
けれどそんな夢のない想像の一つの清涼剤として、最後に白いドレスで結婚式に乗り込んでいった元恋人が見事にふっきって人生をやり直し始めた姿で登場し、映画を観ている人たちを明るい気持ちにさせてくれます。
人生は山あり谷ありじゃありませんが、平坦で平凡な道を望んでいても、一人で引き籠って生きているわけではない限り、常に外部からの影響に晒されて色んな困難に立ち向かってゆかなくてはなりません。
でもそれを自分の捉え方一つで更なる充実した人生へとステップアップさせる過程に変えることができたら、それはとても素敵なことですよね。

現在に悩んでいる人たちが前向きになるためのオムニバスって小説でも映画でもちょくちょく目にしますが、それらと同じようにこの作品も気持ちよく背中を押してくれて、この映画もまた清々しい作品だと思います。

まあ人間なんて単純な部分もあるから、自分が平坦で平凡な道を歩いているときは「つまらない日常に少しは事件というスパイスがあってもいいのに」とか思ったりする場合も、ときにはあるものかもしれませんが。笑。
そのスパイスがスパイスどころですまなかったときに、平凡な暮らしを懐かしんでしまうんですよね、きっと。

余談ですが、こういった挫折して立ち直る、みたいな心地いい映画や小説に触れ合ったときにふと思ってしまうのが、たまに誰かがそういうことを口にするけれど、人生の中で幸福も苦難も予め量が決まっていて、トータルでみると皆同じなんだよ、という何の根拠もないいいざまが、けれど本当にこの世の定理だったらいいのにな、と思うことです。
実際の人生では気苦労一つせずに生きてゆく人がいて、どん底のような人生を死ぬまで強いられるひともいて、世の中は平等でも公平でもなんでもないと知っているから尚更。
だってそうしたら、これだけの困難を一気に乗り越えたのだからこの先の未来は安泰、とか、今幸せなうちにこの先に訪れるだろう困難への備えを蓄えておこう、とか、そういうことを考えて堅実な人生を求める気持ちもありますが、何よりも、「わたしは今辛いけれど、これは誰もが平等に人生の中で経験する苦しみ」と思えばそう、そこここで擦れ違う誰もが同士であり仲間であり、共有できる応援者に感じられて励まされる気がしませんか?
そうしたらそれこそ、電車の中で大股開いて乗っているおじさんも、非常識な騒がしさで車内で会話するおばちゃんも、同じ苦難を超えてきた人生の同盟者、もしくはこの先それを迎える挑戦者ということで、少しだけ愛しく感じられるかもしれないですよね。
いやそれと公序良俗は別問題かな。笑!
Comment
≪この記事へのコメント≫
私も見てきました!
全てが大円満に納まるラストでしたね。
本当に強く思いました。
最後の最後、婚約者を寝取られた彼女とDV被害を受けてた彼女が、
お茶でも一緒に飲みましょうかと言って歩き出した時、

ああ、ここで女同士の新たな恋が始まるんだな…と素で見守ってました。


そして、はっと我に返って、
『え?、思考がYうにさんと化してね?』と感じた瞬間襲った申し訳なさ。


ごめんね、勇者様……。
2011/05/20(金) 12:17:52 | URL | F原 #-[ 編集]
どんと恋!です!
んもう、藤原さん、いい染まり方してらっしゃる…(笑)!
いえ、間違っておりませぬよ?その通りでござい☆ただワタシ的に「攻め同士では友情しか生まれぬではないかッ(くわ!)」となったあの二人です。女同士の最強タッグとも呼べる友情です。末永く続くといいと思います。

実際の世界ではちょっとお目にかかれないようなおとぎ話のようなラストでしたが、それでも現実の電車を舞台に作られているものだから、現実味がありそげでいいですよね。
またこんなほんわかする映画にお目にかかりたいものです。
2011/05/23(月) 20:47:00 | URL | タカヤマ #-[ 編集]
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