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ものぐさにっき。

成分の99%は萌えで出来ております。
大安吉日
謎解きのあとに辻村作品も読みましたー。
本日は大安なり、という、先に読んだ(というか発売してから何ヶ月経ってることか…)ミッコが言うところによると、いつもとちょっと作風違うよーとのことだったので、ま、そのうちそのうちと流していた一冊でもあります。
やっぱり辻村作品の醍醐味は叙述トリックだと思うので、初期の青春ミステリのが好きでああいう作品が読みたいなーと思ってしまうのですよね…。いや、色んな話にチャレンジするのはいいことかもしれませんが。
これまた表紙のイラストから勝手に「和物」とか「妖怪の話?」とか思い込んでいたので、目次を開いて結婚式場を舞台にしたオムニバスだったので、あまりの見当違いに笑ってしまった。そっちの意味での「本日は大安なり」か!
以下、ネタバレを含む感想ですので続きより~。
結婚式場を舞台にした、とある大安の日の四組の結婚式に纏わる人々のオムニバスみたいなお話です。厳密に言えばオムニバスとは違ってただ色んな人たちの視点で式場の一日が過ぎてゆくのですが。

格式ある結婚式場でその日、各部屋時間を少しずつずらして行われる四組の結婚式。本来ならば幸せの絶頂でその日を迎えるはずだったのに、それぞれに裏事情がありありで…。
一卵性双生児の新婦が姉妹で入れ替わってたり、家族から反対されてる夫婦だったり、新婦が超我侭で尚且つ、ブライダルプランナーの婚約者を寝取って捨てた女だったり、あとは実は新郎が既婚者で重婚だったり。
いやあ、人生それぞれ人ぞれぞれだけれど、濃ゆい大安の一日ですね!
初めはそんな背景も知らずに始まって、それぞれの人物視点の回想が差し込まれたりしてそんな人間関係が明らかになってゆくのですが、何せ初っ端から人物説明もなしに一人称で始まるものだから、割と中盤まで誰が何組目のカップルの片割れで誰がどこの招待客で、誰と誰が結婚するんで、というのが把握しづらく、何度目次の「××時より○○家・○○家挙式」という一日のタイムスケジュール表を振り返ったことか。笑。
把握できてくると大筋で、「新婦が入れ替わった双子」「新婦に振り回されるブライダルプランナー」「叔母の結婚に不安を感じる少年」「重婚詐欺の男」の四人がメインになって話が進んでゆくことに気付きます。
あれこれ問題のあるカップル(もしくは結婚)ばかりで、え、これ四組全部ちゃんと収拾すんの?と思いきや、終盤式場で火災が発生し、それを機になんとかかんとか纏まり…やっぱり結婚式っていうある意味、非日常な空間であっても、非常事態が発生すると人間の本質が問われるというものですよね。
本当ならそこで、それだけで話が終わってくれれば一冊の独立した話としても充分だったはずなのですが、このひとの癖というか作風というか(良し悪しはどちらで捉えるかによって変わるかと思いますが)、他の作品のキャラが出張出演して、わりと大事な美味しいところを掻っ攫ってゆくんですよねー…。
一作二作くらいならともかく、このひとの作品ではそれがとても多いので(すべて横の糸で繋がってるのかと思うくらい)、ワタシは少々そういった演出に食傷気味です。今回も、招待客の中にスピンオフキャラがいたなんて初めは気付かなかったのですが、「月ちゃんが」とか台詞が出た瞬間それに気付き、ちょっとがっかりしてしまった…。キャラのその後が知れた喜びよりも。
そんでそのキャラがクライマックスの美味しいところを掻っ攫っていったので、この人の背景を知らない読者はどう思っているんだろうなんてどうでもいいことに気をとられてしまいました。
まあ、あまりでしゃばりすぎずにきちんとこの物語の本来の主人公(先に挙げた四人)たちだけでエンディングを迎えてくれたので、そういう意味では作品としての後味まで左右するほどではないのですが。
入れ替わった双子は新郎にそれを見抜かれて、プランナーも仕事をまっとうして新たな幸せを掴み、少年の心配は晴れて、重婚詐欺まがいの男も更生したという文句のつけようもないハッピーエンドです。
双子と新郎の三人は普通に面白かったので、この夫婦が出会ってから今回の結婚式に至るまでのあれこれで一つの作品になってても、普通に恋愛小説として面白かったかも!とちょっと思った。
でも、新郎がカミングアウトした「それ以上にややこしいから」という台詞が何かの伏線ではないことを祈ってる。これ以上作品同士が横の繋がりを持たなくてもいいや(笑)。てか、もしかして気づいてないだけで伏線?!
重婚詐欺の男は別に救済されなくても一度落ちるとこまで落ちればいいと思いましたが、まあ、エンディングの幸せを手に入れるまでにきっと、どん底まで落ちまくったのだと幕間を読みます。うす。じゃないとちょっと綺麗過ぎるというか救われすぎだよね。相手の女の子もいることだし。
ほんと、いつもの推理や隠された真実、なんていうのは殆どなくて(一人称なので各自の背景が段々と明かされてゆく形式だったくらいで)、いつもと違う作風のお話でした。
これはこれで相変わらず読みやすいのでつるっと読めてしまいましたが、もうそろそろ凝りまくった、ひっかかった!と頭を抱えるような叙述トリック小説が読みたいかなー。

あと、これ雑誌連載時はどうしてたんだろうと思ったら、かなり今回改稿しているそうなので、多分連載時は四つの結婚式を独立させたお話だったのかな?と勝手に想像。それを時間軸を揃えて同時進行にさせたのが今回の小説だったのかもしれません。
雑誌で読まれた方はそういう意味でも二度美味しい作品になっているかもしれませんね。
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